こんにちは。イラストレーターの茶谷順子です。
イラストを描いてますって言うと、よく聞かれることをブログで答えています。今回のテーマはこちら。
「イラストの金額に相場はあるの?」です。
よく聞かれます。今は、私も価格を明示していますが、以前は作品ページとお問合せページだけで、価格表はありませんでした。
なぜ、価格を載せてなかったのか。それは、「他の人も載せてなかったから!」です。
自分で作成する際、色んなイラストレーターさんのサイトも参考にさせていただいたのですが、価格が載ってないことが普通でした。上述のように、作風の違うイラストが何パターンかと、お問合せ、履歴が載っているシンプルなものが多かったです。
でも価格わかんないと、困りますよね。ですから今は載せてます!(しつこい)という、少し余裕がある状態で、以下考えていきます!
幾つかの基準を検索してみました。
まず、世間的なイラスト料金の相場や、決まりがあるのかを検索してみました。足並み揃えるという必要はないかもしれませんが、どういう根拠で金額設定をしているかも大事だと感じました。
3つほどリンク&ご紹介させていただきます。
- 「スキロッツ(クリエイター登録サイト)」さんの2014年の記事 イラスト料金の相場について詳しく書かれていた記事で、とてもわかりやすいです。5年前なので、価格は若干変動してるかもしれませんが、あるべき姿も含めてボリューム満点に解説されています。その本文にリンクがあるのですが、次の記事も参考になりました。
- 日本イラストレーター協会さんの記事 記載時期は不明。一部引用してご紹介します。
料金はイラストのタッチ、イラストレーターの知名度、クライアントの規模、使用媒体、使用期間、発行部数、使用サイズなど総合的に判断して決めていきます。
仕事上の受発注者双方の心構えなども記されていて、そうだな、その通りだな。と思いながら読ませていただきました。
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デザイナー、ゆっきーさんの2018年の記事 最近の記事らしく、ワードプレスで綺麗で見やすいです。価格設定も法人と個人向けれぞれで、いろいろな項目で記載してあるのが、親切だなあと感じました。
どの記事からも、変な安売り価格設定は不要で、むしろ適正な提示をすることの大切さが伝わってきました。
基準は一定でなくても構わないけど、根拠がないとお互い不幸になるのだなあ。だから価格はきちんと明示しないといけないのですね。
なぜ、価格が載っていないかったのか、考えてみる。
相場についてちょっと納得がいったので、次は、参考にしたサイトがほぼ価格非表示だった理由を考えました。
それは「個人向けに販売するつもりはなかったから」ではないでしょうか。
ネットが発達する前、イラストレーターのお客様は、広告代理店や、出版社、編集プロダクションなど、法人がメインという印象でした。お客様といえば聞こえがいいですが、「大きな会社から仕事をいただく!」という構図です。(本来は単なる請負契約ですよね)
大御所のイラストレーターさんはともかく、新人やその他は描かせてもらうだけでありがたい。金額は言い値で構いません。という価格決定方式もありました。事前に報酬金額を聞かずに描き始めることも珍しくありませんでした。またそうは言っても、概ね、どの媒体からの依頼も報酬は一定基準内で収まっていました。
そんなわけで、「お互いこのくらいだよね」という相場観を持っており、価格を表示する必要性を感じなかったのだと思います。
ちなみに、価格は以下のような高低があったと思います。
- モノクロ < 2色 < 4色(フルカラー)
- 小さなカット < 雑誌での特集記事 < 単行本1冊 < 広告 < ポスター
- 地方展開モノ(発行部数少)<全国版(発行部数多)
当然、他条件も絡みますので、100%この順番ではありません。あくまでも記憶の中でふんわり捉えている感じです。どこも商用ですから、全体の中でのイラスト予算は予め決まっているようでした。広告の多い人気雑誌なら、少ないカット数でも割高な報酬の場合もありました。逆も然りです。
え?金額、自分で決めてなかったの?
ここまで読んで、そう思いませんでしたか? はい、私には自ら提示ができてない時期がありました。描かせて欲しい気持ちが先走っていたんです。
でも、お互い無責任ですよね。初めに合意しておかないと、後々、「こんな金額でこんなめにあった」とか「こんなに請求するのか」と、苦い思いをするのは目に見えています。今は、昔に比べて、明朗になってきましたが、ばらつきもあります。だからこそ相手任せにせず、自分の条件はきちんと準備し、提示するのがトラブル回避にもなります。
実際、口約束で「このくらいで出来る?最後調整できるかも」と言われて鵜呑みにし、最終的な金額を聞いて愕然としたこともありました。
先方のペースに合わせて描き、納品後の金額交渉で、「ざっくり初回の見積もりだして〜♪」と明るく言われ、仮で出したら「こんな金額払えるわけないでしょ💢」と不快感いっぱいの返信が来たこともあります。
当時は、自分だけが被害者だという気持ちになっていました。でも今は、仕事をする上で自覚が欠けていたから招いた結果だと、思っています。しんどかったですが、勉強代だったのですね。
今は明朗価格(価格表はこちら)になっているので、安心です(くどい)。そもそも、価格を表示するのは、製作者の義務ですね。
価格が分からないお寿司屋さんって、気軽に入れる?
と言いつつ、価格表を設置したのはかなり経ってからです。(大反省。)その内容も最初は簡素すぎて、不親切だったようです。色数や、媒体だけをざっくり書いたいわゆる業務用。で個人の方にはわかりにくいようでした。つい、自分のわかってることは皆わかってると思いがちですが、よくないです。
試行錯誤を繰り返し、現在はこんなページになりました。また改良して、価格表だけ見てても楽しい!と感じてもらえるような構成にしていきたいです。
ある方に「茶谷さんさあ、値段が出てないお寿司屋さんって入れる?怖くない?」と言われてハッとしました。本当ですよね。笑 回転寿しのお皿だって確認しないと取りたくないのに。
価格が分からないのに頼むなんて絶対に嫌です。
イラストを頼み慣れてる方でも、価格があれば、予算からざっくり頼むか否かを判断できるから、無駄な労力がお互いに要らないです。また、ウェルカムボードなどで、初めてイラストを頼んでみようかなという方も、直接聞く前に価格表があれば安心です。
だいたい、店頭で値札のないものを手に取るのはどきどきする性格なのに、なぜ、ずっと気付けなかったのか、本当反省です。
何事も、自分の身に置き換えて考えるって大事ですね。お寿司に置き換えるのも大事ですね!
イラスト質問箱 その4は「イラストの金額に相場はあるの?」でした。
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